「コタロウ」君「アンディ」君「ペコ」君です。好奇心旺盛だけどお行儀が良い、トイプードルの男の子3頭でした。
サントミューゼ上田市立美術館「生誕140年 吉田博展」
福岡県久留米市に生まれ、東京の画塾「不同舎」で学び、洋画の素養を身に付けた「吉田博(1876~1950)」は、生涯を風景画の制作に捧げました。「黒田清輝」白馬会の国費での欧州留学組に対抗する為、独力でアメリカ渡航しデトロイト美術館のグリフィス館長に見いだされます。同館での個展で自身の作品が大評判となり、教員の年収の13年分を売り上げ、皿洗いの覚悟とは裏腹に悠然たるヨーロッパ歴訪をしながら帰国します。
帰国後は太平洋画会を創設し、水彩・油彩・版画と自身の作風を変化させながら、「絵の鬼」と呼ばれるほどの存在となって行きます。故ダイアナ元英国皇太子妃が自身が仕事場とした「ケンジントン宮殿」執務室に、吉田の作品「光る海」と「猿沢池」が飾られてあります。来日した際に画商を呼び、自ら購入したと言われています。またフロイトやマッカーサー夫人も版画の作品のファンでした。マッカーサーがGHQトップとして厚木に降り立った時に、「吉田博」は何処にいると聞いたという逸話があります。
1905年のワシントン・ポストは「西洋芸術の観点から見れば技術的に非常に優れたもので、質と情趣は東洋的なものである」と評し、吉田も自著で「私は自然を崇拝する側に立ちたい。画家がどれほど立派なものを作っても、自然と一致する近さまでは到底寄り付き得ない。」と東洋人の世界観で自然界への姿勢を記しています。日本人にしか描けない洋画を追及し、水彩画は日本の湿度と日差しの柔らかさを表現しています。
また「丸山晩霞」との奥飛騨写生旅行により山への情熱を燃やし、移ろいゆく山肌や雲、日の光が織りなす光景を描き続けました。次男に「穂高」と名付けた程の山好きです。47才の三度目の渡米により、木版画製作に目覚め数々の秀作を残しています。250点もの作品を通して「吉田博」を感じてください。
生誕140年 吉田博 展 2017.4.29(土)~6.18(日)
場所:サントミューゼ上田市立美術館 〒386-0025 長野県上田市天神3-15-15
TEL:0268-27-2300
開館時間:9時~17時 休館日:毎週火曜日
観覧料:一般1,000円 高校生・大学生600円 小学生・中学生400円
主催:上田市・毎日新聞社・NBS長野放送